この奇妙なタイトルに、いったい何が始まるのだろうと、驚いた方がいらっしゃるかもしれません。
あなたは今、何か願い事がありますか。
その願いは、すぐに叶うことですか。
それとも、叶えるには何かとても難しいと感じる願いでしょうか。
あなたが何か願いを叶える時、誰もが実は、とてもシンプルな工程を踏んでいることに、気づいていらっしゃるでしょうか。
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例えば、お仕事中、のどが渇いたとします。
あなたは、水を飲みたいと思うでしょう。
きっと、高級レストランの食後に出てくる、とくべつな香りの紅茶が飲みたい。
とは、思わないでしょう。
ただ冷たい水、あるいは人によって暖かいお湯で、のどを潤すことさえできれば、十分に満足できると感じるしょう。
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あなたは特に何も考えることなく、水道の水をコップに注ぐか、ポットのお湯を汲むでしょう。
それは水が、あなたの体にとってとても大切で、なくてはならないものであると、あなたの体も意識も、知っているからです。
少なくとも、水道設備の整っている日本において誰も、
水を飲んだら体調を崩すかしら。
水を飲んだら何か恐ろしいことが起るかもしれない。
などとは思わないでしょう。
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むしろ、のどが渇いた時に水を飲まなければ、
もしかすると脱水症状を起こすかもしれません。
暑い夏には熱中症になるかもしれません。
それほどまでに、水があなたにとって大切であると、誰もが知っているでしょう。
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では、「愛」はどうでしょうか。
あなたは、どれほど「愛」のことを考えたことがありますか。
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もし、「愛」がこの世からなくなったら、あなたはいったいどうなってしまうでしょうか。
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産んでくださったお母さま、育てて下さったご両親や兄弟・ご親戚の方々、
命を始めに迎えて下さったお医者様や助産師さん、幼稚園や保育園の方々、学校の先生やお友達…
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あなたが大きく育って大人になるまでに、数え切れないほどたくさんの方々と出会い、何らかの形でご縁があり、分かれてきたことでしょう。
育った環境によっては、繰り返される出会いや別れが当然のことのように感じる方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
子どものころは、みるみるうちに成長するので、その分、出会いや別れのサイクルも短いことが多いのです。
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人との出会いや別れは、その人の魂の成長と関係があります。
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ある友人と出会い、仲良くなったとします。
一時は、とても仲が良かったけれど、そのうちなんだか気が合わなくなったな。と感じることがあるかもしれません。
それは、その人を通して、一緒に学んだ期間が終わったということです。
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それは、ある種の「卒業」を意味します。
学校の場合、皆がある決められた一定の期間を一緒に過ごし、おおかた皆が、一斉に同じタイミングで卒業することが決められています。
卒業や入学は、成長したことをお祝いするセレモニーであることは、多くの人が感じていらっしゃるかもしれません。
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義務教育の期間が終われば、入学や卒業がなくなるかというと、そうではありません。
むしろ、決められたサイクルがない大人の世界の方が、入学や卒業のサイクルは、重要と言えるかもしれません。
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それは何故かと言いますと、
ご縁のある人は皆、あなたの「先生」だからです。
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その日だけの出会いのお客様であろうと、常連のお客様であろうと、
何年も共にお仕事をさせていただいた先輩や同僚、後輩、であろうと、
恋人であろうと、皆が、あなたの魂を成長させてくださる、先生なのです。
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もしよかったら、思い返してみてください。
あなたが大人になって、初めてお仕事をさせていただいたとき、失敗をしないことがあったでしょうか。
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もしかすると、お客様に意見をいただいて、失敗を悔やんだ日があったかもしれません。
先輩にどうしたらミスを防げるかアドバイスをいただいたり、励ましの言葉をいただいたかもしれません。
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お仕事にある程度慣れてきてからは、お仕事を通してスキルアップを図ろうと、努力を積み重ねてきたことでしょう。
例えば、どのように伝えたらお客様にわかりやすく伝わるか、ますます喜んでいただけるか、
どうすれば後輩のモチベーションアップにつながるかなど、様々に考え、
先輩として尊敬されるような人物であろう、お客様に愛される従業員であろうと努力することで、自身の仕事へのモチベーションが更に上がったことがあったかもしれません。
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どんな人間関係においても、なんの学びもない関係というのはありません。
今いる場所、人間関係が、あなたに最善で、最良の居場所となりうるように、あなたの魂はいちばんよく知っていて、あなたが今必要な学びが出来るように、導いています。
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その人間関係において、必要な学びを終えると、魂は卒業のサイクルを迎えます。
それが、目に見えないところで起こるので、気づかない人がたくさんいらっしゃいますが、
例えば、職場を異動になった。というのは、とてもわかりやすいサインです。
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異動先に行けば、魂の成長において、新しいステージに入ったということです。
職場のメンバーが変わるのは、とても自然な流れであり、素晴らしいことなのです。
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いつまでたっても、変わらない人間関係は、ある意味では、何の成長もない。ということです。
成長がないので、流れが止まって沼地のようになっていきます。
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もちろん、同じ沼地でも、新しい沼地では栄養分が豊富で、安心できる素晴らしい居場所と感じるでしょう。
けれど、ずっとそのままがいい。とそこに居続けると、きっとそのうちに少しずつ、居心地が悪くなっていくことでしょう。
安心どころか、「面倒な関係。」とすら感じるようになるかもしれません。
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もし、そのように感じる方がもしいらっしゃるとしたら、
あなたは、その環境を卒業するのに相応しい時期に来ているということです。
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あなたは、その環境を卒業したら、どんな世界へ行きたいでしょうか。
あなたには、今よりもっと素晴らしい、あなたに相応しい居場所があるのです。
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今まで沢山学ばせていただいたその環境に、感謝を示すに相応しい、
もっと素晴らしい世界に行けることを意図しましょう。
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もしよければ、少し、想像してみてください。
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あなたは今、卒業の日を迎えました。
明日からは、全く新しい日々が待っています。
なんでも好きなことをしていいのです。
なんでも好きなことを選んでいいのです。
だれも、あなたを引き留めたり、追いかけたりはしません。
みんな、あなたが卒業を迎えたことを、最大限に祝福して、送り出してくださります。
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あなたは今、卒業の日を迎えたことを、心の奥深くから嬉しく思い、これまで歩んできた日々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
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明日からはもっと素晴らしい日々が待っている。
そう信じて疑いもしません。
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あなたは、この最高の日を迎えられたことに、とても感謝と嬉しさで、晴れ晴れとした気持ちで、胸が躍るようです。
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それでは、いったん少し時間をおいて、その感情に浸ってみましょう。
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気持ちが良くなりましたでしょうか。
すっきりした気持ちがしていますでしょうか。
軽やかで、明るく、清々しい気持ちを味わってみましょう。
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あなたはもう、昨日までの日々に何も思い残すことはありません。
本当にもう、卒業の日を迎えたのです。
そして、明日からは、もっと楽しく素晴らしい喜びの日々が待っています。
何も恐れることはありません。
ただただ、安心して、喜びと感謝とともに、前に進んでいくのです。
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さて、そうして喜びと感謝に浸っているうちに、日も暮れて、夜になってきました。
あなたは今夜は何を食べようかしらと、夕食について考えを巡らせたり、
ゆっくりお風呂に浸かってリラックスしようと思うかもしれません。
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職場から家に帰ったあなたは、あることに気づきます。
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「もっと早く、卒業しておけばよかったな。」
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「本当はうすうす、そんな気がしていたのよね。もっと素晴らしい、私にぴったりの居場所があるんじゃないかってね。」
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「でもまあ、明日からは、自由の身だから、何も心配する必要はないよね。今夜はとことんゆっくり過ごして、自分を労わってあげよう。」
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そのように思い、あなたは夕食を楽しみます。
その後、お風呂にゆっくり浸かってリラックスし、暖かい布団のあるベットに入ります。
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「今日もお疲れ様。いや、これまで本当にお疲れ様でした。みんな、本当にありがとうございます。おやすみなさい。」
そう思い、眠りにつこうと目を閉じた時でした。
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突然、胸がきゅうっと締め付けられるように痛むのでした。
こんな痛みは初めてで、あなたはどう対処していいか、わかりません。
とても息が苦しくて、呼吸できているかどうかもわかりません。
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「助けて!」
あなたは心の中で叫びます。
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「誰か、助けて」
もう一度、心の中で叫びます。
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けれど、辺りはしんと静まり返って、自分のうめき声だけが聞こえています。
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今度は、声に出して
「だれか、助けて!」
と叫ぼうとしましたが、
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息が苦しくて、かすれ声しか出てきません。
もちろん、誰も気づいていないようです。
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いったいどうしたものか…
何か手立てを…
考えようとしますが、なにも浮かんできません。
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考えるどころか、意識はどんどんうすれていくようです。
今自分がちゃんとベットの上にいるのかさえ、定かではありません。
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電気をつけようにも、あまりの息苦しさに、起き上がることができません。
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携帯をとろうにも、どこにあるかわかりません。
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そんなことより、胸の痛みと息苦しさは増すばかりです。
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あなたは意識を保とうするだけでも精一杯です。
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なんとか呼吸をしようとしますが、息は荒くなるばかり
吸っているのか吐いているのかさえも、わからなくなってきました。
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そしていよいよ、意識が遠のいていくのを感じました。
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あなたは、
「もう、このまま死ぬのかもしれない。」
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「まあ、それでもいいか・・・。今日は素晴らしい日だったし。」
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そう、思った瞬間です。
頭の中に、ある人の声が聞こえてきました。
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「死んじゃいや!」
「あなた独りで死んでしまうなんて、絶対にいや!」
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さて、それはいったい誰の声でしょうか。
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あなたは「はっ!」と気づきます。
そして、こう感じました。
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「最後に、会いたかった。」
一度でいいから、会って伝えたかった。
「愛しています。」の気持ち。
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今もし私が死んだら、
永遠に、あの人には伝えることができないのだわ。
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もっと、ちゃんと伝えておけばよかった。
せめて、本当の気持ちを…
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そう、気づいいた瞬間
あなたは、急に、呼吸が楽になったような気がしました。
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少し、自分が呼吸しているのを感じられたような気がしました。
「ふぅーー」っと長い息を吐いたとたん、
急に、とても眠たいことを感じられました。
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そして、そのまま、目を閉じました。
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さて、あなたはこの後、どうなったのでしょうか。
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元気に朝を迎えることができたのでしょうか。
それとも、あのまま永遠に覚めない眠りについて、この世を去ったのでしょうか。
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どちらにしても、
あなたはもう、本当の気持ちに気づいていることでしょう。
あなたは、この世を去るとき、
何も持っていくことはできないことを。
そしてそれが、いつ訪れるか、誰にも予想できないことを。
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そしてそれがもし、今日だとしたら、
あなたは、残された時間を、誰とどのように過ごしますか?
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毎日が、「今日で人生の最後」なのだとしたら、
あなたは、毎日、誰とどのように過ごすことを一番に選びますか?
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人生は、長いようで、とても短いものです。
毎日を、「面倒な関係」に費やすほど、もったいないことはありません。
毎日を、本当の幸せや喜びのある「愛」を生きていらっしゃいますか?
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本当に幸せな人は、毎日を最高のものにしようと意図して、毎日をありがたく生きていらっしゃります。
それは、あなたにもできることです。
今この瞬間から、あなたはもう、幸せになっていいのです。
今この瞬間に、最高の人生を選んでいいのです。
今この瞬間も、本当の「愛」を生きていいのです。
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これは、「死を体験するワーク」と言って、自分の死を疑似体験することで、自分の本当の大切な人やもの、幸せの価値観に気づくためのワークです。
このワークをとおして気づいたことは、メモに取るなどして、一生大切にされると、あなたの人生はより愛に溢れ、幸せなものになるでしょう。
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最後までお読みくださりありがとうございます。
何か、参考になりましたら幸いです。
あなたに沢山の愛と光、たくさんの幸せが訪れますように。
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