あなたを囲む全てが、あなたを味方してくださいます。

    *

    月夜の晩に、空を見上げたときのことを、思い出してみてください。

    誰もが知っているように、夜の空には、息をのむほど美しい、満点の星空が広がっています。

    *

    数え切れない星たちが、瞬くように輝きを放っています。

    そしてたくさんの星たちに囲まれながら、月が、優しい青白い光を放っています。

    *

    あなたは、なぜ月が、こんなにも優しい光を見せてくれているのか、気になったことはございますか。

    月は、満ち足りかけたりするので、他の星たちのように、いつも同じ輝きを放つことはできません。

    けれど月は、夜になると必ず、その優しい表情を、私たちに見せてくださいます。

    周りの星たちが、どんな場所に移動しても、月だけは必ず、毎晩、その顔を見せて下さいます。

    *

    あなたは、それがどういうわけか、気になったことはございますか。

    月はいつも、あなたに眠りにつく時間を知らせて下さります。

    月があるおかげで、今日が何日かを知ることもできます。

    そもそも月はなぜ、このような一風変わった動きを、私たちに見せて下さるのでしょうか。

    *

    *

    それは月が、実はとってもとっても、寂しがりやさんだからです。

    泣いてしぼんだり、怒って膨れ上がったりするのは、

    「もっと私だけを見てくださいな。」

    「他の星たちのことなんか、放っておいてくださいな。」

    と、月が思っているからです。

    *

    時には、悲しみに暮れるあまり、お家に帰ってしまうこともありますね。

    また時には、今日は最高潮と言わんばかりに、太陽とセッションして、素晴らしい光を見せて下さるときもあります。

    *

    これは、いったいどういうわけでしょうか。

    月は、僕のことが好きなのかしら?

    それとも、嫌いなのかしら?

    放っておいてほしいのかしら?

    それとも、もっとかまってほしいのかしら?

    *

    私たちは、いつの間にか、月があるのは当たり前のように思い

    気づけば、月のことが大好きになってしまいます。

    *

    でもやっぱり、月の気持ちはわかりません。

    いったい、どうしたらいいのでしょうか。

    *

    答えは簡単です。

    月に、話しかけてみればいいのです。

    *

    「お月様、お月様。

    なぜ君はいつも、泣いたり、笑ったり、怒ったりしているの?」

    *

    「君は、僕のことが嫌いなの? それとも、好きなの?」

    *

    するとお月様は、こう、答えてくださいました。

    「あらまあ、なんて嬉しいことでしょう。こうして、話かけていただけるなんて。

    こんなにも、私を見て下さっているのは、あなたが初めてです。

    嬉しすぎて、照れてしまいます。」

    *

    そう言って、お月様は、黙りこくってしまいました。

    *

    「あれれ。僕は、いったい何をしに、ここまで来たんだろう。

    結局、お月様は、僕のことが嫌いなの?

    それとも、本当は好きなのかしら?

    よし、また明日も来てみるかぁ。

    明日になったら、何か、わかるかもしれない。」

    *

    そう思った僕は、翌日の晩も、お月様に、同じことを聞いてみました。

    「お月様、お月様。

    なぜ君はいつも、泣いたり、笑ったり、怒ったりしているの?」

    *

    「君は、僕のことが嫌いなの? それとも、好きなの?」

    *

    するとお月様は、こう、答えてくださいました。

    「あらまあ、なんてことでしょう。今日もまた、会いに来てくださるなんて。

    嬉しくって、気絶してしまいそう。」

    そう言って、お月様はまた、黙りこくってしまいました。

    *

    いったいどうしたものでしょう。

    これでは何の解決にもなりません。

    *

    僕は、考えました。

    「お月様のために、なにかしてあげられることがあるかしら。」

    *

    「そうだ。お月様のために、歌を歌ってあげようじゃないか。

    僕が大好きな歌を歌って聴かせたら、きっと、お月様は元気がでるにちがいない。」

    *

    そして翌日の晩、僕はこっそりお月様に会いに行きました。

    そして、ゆったりと、透き通った声で、歌を歌い始めました。

    *

    「僕の声を聴いてごらん。

    僕は、君の輝きとは違うけれど、

    こんなに透き通った声で歌えるよ。

    きっと、きみの優しい光と合わされば、

    君はもっともっと美しくなって、

    誰にも負けない明るい光を放てるさ。」

    *

    僕は、月の光に寄り添うように、そっと、なんども歌いました。

    *

    聞こえているか、聞こえていないか、わかるかわからないか、

    それは、ちょうどよく、なんともここち良い響きでした。

    *

    *

    すると突然、お月様がこう、話しました。

    「あなたの歌は素晴らしい。

    けれど、私の美しさにはかなわない。

    きっと、あなたの声がここまでくれば、

    あなたの素晴らしさが、もっとよく感じ取れるはず。」

    *

    そこで僕は、こう言いました。

    「君が僕を好きになったら、きっと君のところで歌ってやるさ。

    けれど、君が僕を嫌ってるなら、ぼくは一歩たりとも動きはしないさ。」

    *

    さあ、いったいどうしたことでしょう。

    ふたりは、一歩たりとも譲りそうにありません。

    *

    「今夜は夜も遅いし、つづきはまた明日にしよう。」

    ふたりはそう言って、今夜はお開きにしました。

    *

    さて次の晩、そしてまた次の晩も、僕とお月様は、同じことをくりかえしました。

    けれども、ふたりは、いっこうに譲りそうにありません。

    *

    そうしていくうちに、あっという間に、約一年が過ぎてゆきました。

    僕とお月様は、もうへとへとで、あきあきしてきました。

    *

    お月様は、こう思います。

    「いったいぜんたい、私があなたに、何をしたというのかしら。

    私はただ、あなたが会いに来てくださるだけで、

    とってもとっても嬉しくて、幸せだというのに。」

    *

    「今晩、あの方の歌が聞こえたら、伝えてさしあげましょう。

    いったいどうしてそんなに遠くで歌っていらっしゃるのですか?

    私のところへはもう、来てくださらないのですか?

    あなたは私のことが、好きなのですか?

    それとも、嫌いなのですか?」

    *

    *

    *

    さて、その晩ふたりはどうなったのでしょうか。

    *

    あなたは、ふたりがどうすれば、本当に幸せになると思うでしょうか。

    *

    あなたなら、もうお分かりのことかもしれません。

    *

    そう、ふたりはどんなに離れた場所に居ても

    周りの誰がどう言おうと

    本人たちが、相手についてどう言おうと

    ふたりは互いに、

    「愛してやまない最高のパートナー」ということを。

    *

    *

    今回のお話は、なんだかロマンティックなお話になりました。

    そうです。

    きっとあなたはもう、お気づきのことでしょう。

    これは、恋愛・パートナーシップにおいて、とってもよくある「パターン」です。

    *

    いったんこのパターンにはまってしまうと、なかなか抜け出せないようです。

    どこからどう見ても、ふたりは愛し合う最高のパートナーなのに、

    なぜ、こうなってしまうのでしょうか。

    *

    それは、相手の気持ちを、素直に受け取れていないからかもしれません。

    *

    ふたりとも、いつだって素直な気持ちを表現しています。

    けれども、どこでどうしたから、こうなってしまったのかしら。

    と、いつのまにやら、迷路にはまってしまったのです。

    *

    迷路を抜け出す方法は、ひとつかもしれません。

    ふりだしにはもう、戻れないから仕方ありません。

    *

    つまり、目指すゴールはたったひとつだけあります。

    *

    そうです。

    「ふたりが同じゴールを目指せば解決する。」

    ということです。

    *

    同じゴールを目指すとは、いったいどんなことでしょう。

    それは例えば、

    ふたりでお店を営むことかもしれません。

    ふたりでピクニックに出かけることかもしれません。

    ふたりで一緒に暮らすことかもしれません。

    そして、ふたりで一緒に眠ることかもしれません。

    *

    どんなゴールも、きっと素晴らしい時間を過ごせることに変わりはありません

    少なくとも、遠く離れた場所にいて、お互いの思いを主張しあうより、何百倍も増しです。

    さて、あなたはどんなゴールなら、2人はゴールにたどり着けると感じるでしょうか。

    *

    どのようなゴールを選んでも、きっとふたりは今よりずっと、幸せになるでしょう。

    なぜならふたりは、もう約一年も離れ離れで、会うことすらしていなかったのですから。

    *

    あなたがもし、僕とお月様のどちらかだとしたら、

    あなたは、どんなゴールを目指したいでしょうか。

    *

    ゴールを出た先には、全く新しく、そしてもっともっと素晴らしいふたりの人生が、始まっていくことでしょう。

    ふたりがゴールにたどり着いたことを、お祝いしてくださる方が、きっと大勢いることでしょう。

    だってお月様はいつだって、数え切れないほどの星たちと共に、夜を過ごしてきたのですから。

    そしていつだって僕は、皆にとって心地よい歌声で、みんなの光に寄り添っていたのですから。

    *

    *

    おしまい。

    *

    *

    最後までお読みくださりありがとうございます。

    何か参考になりましたら幸いです。

    あなたに沢山の愛と光、たくさんの幸せが訪れますように。

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